金型鋼材と熱処理の基本を学ぼう

金型鋼材と熱処理の基本を学ぼう

 

金型というのは文字通り金属でできていて、

金属も樹脂と同様に硬度や弾性などの違いで様々な種類があり、

同じような金属でもメーカーによって呼び名が異なる。

プラスチック金型用の鋼材について触れていくが、大きく3つの鋼材に分けることができる。

一般鋼材プリハードン鋼焼入れ焼戻し鋼、この3つが鋼材としてよく使われている。

(一般用鋼材は金型ベースに使われているSC材や取付板で使うSS材で、

分類方法によってはプリハードン鋼として分類される場合もある。)

 

一般的に、プリハードン鋼は素材のままでも型に使用可能とされているグループ、

焼入れ戻し鋼は熱処理をした後でないと素材のまま型には使用できないグループとして分けることができる。

 

プリハードン鋼は、素材のままでも使用可能だが【表面窒化処理】という熱処理を施すことで鋼材(入れ子)の表面だけ母材より硬度を硬くすることができます。

したがって、PPS材やガラス充填剤など型入れ子が侵食されやすい場合などは、

素材のままより耐久性がよいとされています。
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では、次に焼き入れ焼き戻し鋼で行われる熱処理=【焼き入れ】【焼き戻し】について触れる。

 

焼き入れとは、金属を高温に加熱したのち、急冷することを指し、材料本来の持つ硬度を上げることができます。

焼き入れしただけで組織が固すぎてすぐに割れてしまい、さらには冷却時に金属が縮んでしまっているので、内部応力が残ってしまっています。

このままでは硬度は高いですが、靭性が低い(粘り気がない)ので、固い分脆い状態で金型用の鋼材としては不適切です。

 

それを解決するために行うのが焼き戻しです。焼き入れした鋼材を金属組織が変化しない程度の温度に熱して、その後冷却します。この際の冷却は焼き入れほどの急冷は行いません。

 

焼き入れ・焼き戻しの際の温度は鋼材によって異なります。

 

そのほかに【焼ならし】【焼きなまし】という熱処理もあります。

これは焼き戻しに似たような処理で、焼き戻しと違うのは加熱温度や冷却方法です。

 

 

 

 

 

 

注意しなければいけないのは焼き入れ焼き戻しをおこなうと寸法が変化するということです。

これは焼き入れ時に金属組織の種類が変化するせいなので避けることができません。

そのため寸法精度が求められる場合はあらかじめ鋼材とその熱処理温度や方法を確認して、

どの程度寸法変化が起きるか見込んでおく必要があります。

 

それに比べると窒化処理は比較的寸法の変化がありません。

窒化処理は鋼材に熱を加えるだけではなく一定の温度に加熱した鋼材を、様々な金属元素と化合させ、固い窒化物を形成し、表面を固くさせています。

つまり窒化処理の場合はあくまで表面だけの熱処理で、窒化層は約0.1㎜程度となっているので、寸法変化が小さいのです。

具体的な寸法変化の値は、窒化層部分が0.02~0.03程太る傾向にあるとされています。

 

 

ここまでをまとめると、窒化処理をしたものは表面は硬いけど中身は軟らかいので、外圧力に対しては弱い。焼入れ戻しをしたものは表面も中身も同じ硬さなので、外圧力に対しては強いことになります。

 

つまり成形現場でいうと、型保護(低圧型締め)圧で樹脂をPL面に挟んでしまった場合、

窒化処理入れ子は陥没するか表面硬化層が割れてしまいますが、

焼入れ入れ子の場合は陥没しないので、成形上では焼入れ入れ子の方が壊れにくい型と言えます。

 

ただし、全て焼入れ入れ子にして型を製作するとかなり高価になるため、

成形総生産量の多いものや精度を要求されるものに限定される。

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